ハンナ・アーレント Hannah Arendt

 岩波ホールで予想外に多くの動員数(客は主に中高年だったらしい)を記録した本作。1960年に逮捕されたアイヒマンの裁判を傍聴して書いた論文が物議を醸した様子が描かれているので、一見難しいかもと思いがちだけれど、彼女の主張を分かりやすく噛み砕いたストーリーテリングのおかげで、メッセージが伝わりやすい。観たのはつい最近だけど、昨今の日本社会の空気を吸ってると、ああ今観て良かった、と思える映画だった。



 裁判傍聴シーンは、実際のアイヒマンの映像が使われている。傍聴したユダヤ人のハンナは、アイヒマンの小物っぷり、いかにも凡庸な小役人的な発言と立ち振る舞いを目にして衝撃を受ける。生ける悪魔だと想像していたアイヒマンは、ただ命令に従うしかなかったと主張するつまらない男だった。アイヒマンが特別に卑劣な人間だったわけではなく、「凡庸な人間」もこれだけの悪を行うことができる。これを彼女は「悪の凡庸さ」と呼んだ。また、ユダヤ人の中にも、ナチスに協力した人間がいることも指摘(ユダヤ人たちはみな知っていたこと)。どちらも、思考停止して、善悪、美醜の区別がつかなくなった結果であり、人間は「思考する」ことで強くなる、と主張した。論文はユダヤ人仲間からもバッシングを受ける。まだ20年も経っていないので傷が浅い時期だったのを考えると、早すぎたかのもしれない。



 ハンナはまた、「アイヒマンを擁護しているのではない。理解を試みるのと許すのとは別問題だ」と言う。最近、ISILによる人質事件があったが、政府は、日本で随一のイスラムの専門学者、中田考さんに協力を仰ぐどころか、大学の生徒をシリアに送ろうとした容疑者扱いをした。敵を知るのは基本中の基本だろうと思うけれど、そんなことにも頭が回らないって・・。

 最近は、日本人が自国を批判すると叩かれたりして、メディアも萎縮しまくっているという。そんな状況の中で、もう白目になるしかない今日この頃です。自分たちのやってることは、おかしいんじゃないだろうか?と自問するのは、そんなに辛いんだろうか?? 平時には清き市民でも、平時でなくなれば、自分も愚かしいことをしでかすかもしれない、という恐れを持つことが、間違った方向に進まないための抑止力になると思うのだけど。想像力の問題でもあるし、近現代史をどれだけ知っているかでも違ってくるだろう。いくら戦争はいやだ、平和は尊い、と考えているとしても、それだけでは不十分。頭悪いこと言うやつらが台頭してきたら、それに対抗して声を上げればいいのだけど、メディアがそれを拾わないとなると、絶望的な気分になるっていうもの。最近、国内メディアは報じなくても、欧米メディアでは取り上げている日本に関する言論に、原文でも翻訳でも触れられる人と、そうではなくて国内ニュースだけ見てる人との間での分断も起こりつつあるというし・・。

 最近偶然、「ヒトラーチルドレン ナチスの罪を背負って」というドキュメンタリー(余談だけど、優れたドキュメンタリーって製作がフランスなことが多い気がする)を観た。ナチス要人の親戚たちの現代に生きるうえでの苦労を取材している。日本にいると肌では分からないだろうけど、ナチスの罪は、今でもヨーロッパ大陸全体で影を落としていることがよくわかる。その中の1人のおじいさんは、父がした行為をどれだけ憎んでいるかを、あちこちの学校や施設で講演している。彼の言葉が一番胸に刺さった。「みなさんがもうあんなことは二度と起こさない、と言っても、私は信用しません。何か大きな力が働いたとき、あなたたちはまた同じことを繰り返すでしょう」(というような内容)。自分も日頃、そんな気がしているから。



神保哲夫と宮台真司によるハンナ・アーレント
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コーヒーをめぐる冒険

コーヒーをめぐる冒険 Oh Boy



 原題がOh Boyなのは、監督が脚本執筆中にビートルズをよく聞いていて、A Day In The Lifeの最初の歌詞、"I read the news today, oh boy"の節が頭に残っていたため、だとか。大学を中退してこれからどうする?と悶々としている主人公が、誘われるままにベルリンの町をうろうろし、出会う人々に翻弄されて、まさにOh Boy(やれやれ)の連続なので、なんともしっくりくるタイトル。邦題は、今コーヒーが流行ってるし、つかみとしては良いタイトルかもしれない。主人公がコーヒーを飲もうとしても、行く先々でことごとく失敗し、なかなかありつけない様子が、将来が見えずに手探り状態であることのメタファーになっている。

 主人公は多くを語らず、境遇は断片的にしか明かされない分、友達や父親、子供の頃の同級生など、彼をとりまく人々がやたら饒舌なのが面白い。みんなマイペースに言いたいことをブチまけるのに対して、引き気味の主人公は振り回される。その刺激の中で、自分はどういう人間なのか、少しずつ拾うように気づいていく。最後の老人との出会いでは、ドイツが今も過去と対峙している現実をみせられるが、全体的にはコメディになっていて、思わずハハハと声に出してしまうシーンも多い。ウディ・アレンやジャームッシュが引き合いにだされてるのも分かる。同じモノクロ作品として、パッとしない若者が、変人に出会って翻弄されるブシェーミ監督・主演作のイン・ザ・スープも思い出した。一番近いなと思ったのは、やはりモノクロで撮られたノア・バームバック監督のFrances Ha。モラトリアムな若者が、いろんな人に出会いながら自分が見えてくる、という悲喜劇。


子供の頃太っていた同級生と再会。昔はからかっていじめていたけど、今では「昔と違って自信がないのね」と言われてしまう。

 この映画の監督、ヤン・オーレ・ゲルスターのインタビューが面白いので、ぜひ読んでみて。たしかに、冒頭に出てくる主人公のガールフレンドが、ジーン・セバーグ!と思ったけど、偶然らしい。ジーン・セバーグの雰囲気だけど、ユダヤ人ぽい顔だなあと思ったのは、スウェーデン映画のシーモンとオークの木で、収容所を生き延びた女性を演じてたからだった。




 ベルリンは何度か行ったことがあるけど、住んでみたい都市ベスト3に入る大好きな街。遊びに行くエリアから電車で30分以内の場所でも家賃は高くないし(元フラットメイトが住んでる旧東ベルリンのアパートの家賃を聞いてびっくりした)、人口は密集してないので歩きやすく、歴史が目に見える形で残っている。いかにも旧共産圏!という感じの10車線くらいありそうな広い通りや、不自然に大きい真四角の建物(映画館)。アートや文化も盛んで活気のある街だけど、人と人の間にちゃんとスペースがある、って、理想的な街だなぁ。夏に元フラットメイトのアパートに泊まらせてもらったときにそう褒めちぎって大騒ぎしたけれど、「まあ(暗くて長い)冬も体験してみたほうがいいね」と言われて、妙に納得した。
 
 住んだことはないけど、やたらと親近感を感じる場面があった。映画の中で、主人公が電車に乗ろうとして切符を買うのだけど、機械が故障していたので、切符なしで乗車するシーンがある。私は観ていて、この先の展開が読めた。というのは・・。以下与太話。


 
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Frances Ha フランシス・ハ



追記:この記事は2013年7月に書いたものです。ネタバレになるかもしれない記述もあるので、これから絶対観る!という方は、ご注意を。
 
Frances Ha(フランシス・ハ)
 イカとクジラマーゴット・ウェディングノア・バームバック監督最新作。彼と、主演で共同脚本のグレタ・ガーウィグが、揃ってアメリカの公共ラジオ放送NPRのインタビュー番組で話しているのを聞いて、どうしても観たくなった。NYに旅行で滞在してる間にまだ上映していたので、IFCで無事観ることができました。バームバック監督の前作で、ベン・スティラー主演のGreenburgは日本ではストレートビデオどころか、どこかで有料配信公開のみ、だったので、今作も危ういかもしれない。と、観る前までは思っていたけれど、これはもしかしたら日本公開もありかな?バームバック映画は、今までめんどくさいインテリ中年の話が多かったので、日本でスルーされても今の興行状況では無理もない。でもFrances Haはモラトリアムでぎこちない女の子が、どうにかこうにか落ち着くまでを追った、珍しく瑞々しい仕上がりになっている。舞台は主にNY、しかもモノクロとくれば、監督が話す通り、もちろんマンハッタンを思い出さずにいられない。
 
 ダンサーを目指すフランシスは、ランダムハウスに勤める親友ソフィーと同居中。カフェの店員からは「セックスしなくなったレズビアンのカップルみたい」と言われるほど仲がいい。ゴーストワールドの2人を思わせる、「異常な仲良し」だけど、こちらはもう27歳なので、あっけなく別離の時がやってくる。ソフィーが友達とトライベッカ(金持ちエリア)に引っ越すと言い出した。万年金欠のフランシスに家賃が払えるはずもなく、知り合いの男子2人が住むアパートに転がり込むことになる。ソフィーに構ってもらえなくなったこのときから、フランシスの迷走が始まる。
「1人でタバコ吸うの嫌いだから、一緒に吸って!」部屋で繰り広げられる生々しいガールズトークもめちゃ可笑しい。
大好きなケンカごっこ。ソフィーと疎遠になったフランシスは、他の女友達にケンカごっこをけしかけるが、マジギレされる。
 道楽息子でアーティストのレヴと、SNLのスタッフライター(の下っ端?)のベンジーの2人とルームシェアを始めたフランシス。いろんな女の子をとっかえひっかえ連れてくるルームメイトだが、フランシスは、彼女たちと社交的に接することで「クールなルームメイト」を演じてしまう。ルームシェアのあるある。ソフィーがアパートに初めて遊びに来て、フランシスが、「あたしの部屋見る?」と言うシーンがある(オフィシャルサイトのClip 2)。グレタ・ガーヴィグは、このセリフ、大学生みたいで恥ずかしい!と話してたけど、全編に渡って、ちょっとイタイい笑いが満載。
 ソフィーに彼氏ができて、寂しくなったフランシスは、この後ももやもやとした日々が続く。あてにしてた仕事がポシャってしまって家賃が払えなくなり、男2人との同居も解消。あんまり仲良くないダンサー仲間の家に世話になったり、金ないのに思いつきで週末弾丸パリ旅行してみたり、大学の寮に戻ったり。
 ソフィーは全編に渡って、なかなかツレないので、ソフィーが大好きなフランシスが、親を亡くした子犬のように見えてしまって切ない。ついには、彼氏が東京で仕事することになったので東京に引っ越す事実まで、本人から聞くことはなかった(ソフィーは東京が大嫌いで結局戻ってくる)。
 性格は子供っぽいけど、見た目は若くないよね、などと平気で言われるフランシス。ダンサーへの道のりも厳しく、親友とはケンカして、マジで金欠。大学を出たあとの、大人になりきれないグレーな日々が、痛々しいほど分かる(思い出させる・・)。とにかく気を紛らわせるためになんか行動して、でも悶々とするしかない時期というものが、誰にでも、かどうかは分からないけれど、あるもんです。辛いものがあるけど、フランシスの、小学4年生、みたいな野生的な性格が救い。
 見事なハマり役のグレタ・ガーウィグは、脚本を読んだとき、あまりにもフランシスに共感しすぎて、「フランシスが自分の身体のどこが嫌いなのか、までも手に取るように分かる」くらいだったとか。ダンスをするシーンが多く出てくるけど、本人はバレエを始めたけど体型がバレエに向かなくなって諦め、フェンシングをやっていたことがあるらしい。身長が高くてわりとがっちりしてる(昔は太ってたとか)彼女が、走ったりダンスしたり、動きがのびのびしてるのが、とてもチャーミング。この愛嬌のある感じ、女版ジェイク・ギレンホール!と思ったけど、どうだろう・・。
 ちなみにこのタイトル、Haって何?と不思議に思うはず。これは最後に、フランシスが1人でアパートに住むとき、自分の名前を書いた紙が、郵便箱のサイズに合わず、途中で折り曲げたので苗字がHaまでしか見えない、というしゃれたオチなのでした。
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天使の分け前 Angel's Share


天使の分け前 Angel's Share

*ネタバレと呼べるか分からないけど、バラしてます。

 グラスゴーに初めて足を踏み入れた時、迎えに来てくれた日本人の友人に「グラスゴーには“ネッズ”がいるんやで」と聞かされた。何のことか分からずにいると、さっそく目の前を闊歩する、上下ジャージ姿の男女が。世界中どこでも、不良はジャージが大好きらしい。後に私のカバンをひったくって逃走した男も、上下ジャージ、白いキャップとスニーカーだった。街のコンビニから全速力で走り出していった奴らも同じ格好。ちなみにこれまた全速力で追いかけるのはパキスタン系店主、といういかにもなイギリスの風景。ネッズは日常的に万引きしたりひったくりするので、逃走するためにスニーカー履いてるんだな、と納得しまくった。
 辞書をひくと、「Ned (スコット俗)チンピラ、ヤンキー」とある。Non Educated Delinquentの略称とも言われている。リバプールではスカリーなど、UK各地で呼称は違えど、同じ人種を指している。イギリスの階級制度の名残といっていいものか分からないけれど、貧乏で、向上心のない環境に育ち、軽犯罪を繰り返すうちに、働くあてが全くなくなり、一生出られないドツボにはまる人々を描いた映画。ケン・ローチ作品で“ネッズ”を真正面から捉えた最初の映画はスウィート・シックスティーンだったと思う。スウィート〜はダークだったけど、天使の分け前は、このvicious circleからひょいと抜け出る青年が主人公。解決する手段が、これまたネッズっぽいというか、結局犯罪によってしか身動きが取れない皮肉というか。同じくスコットランドが舞台のトレインスポッティングで、最後にレントンが金を持ち逃げして、めでたしめでたし、のノリに似ている。

 仲間のアホ具合をこれでもかとさらしたりしていて(コカコーラよりも売れている(?)炭酸飲料Irn-Bruを手にしているメガネ男)、全体的にはコメディ調なので、往年の「辛い・苦しい・哀しい」ケン・ローチ節は抑えめ。学生の頃、早稲田松竹でレディバード・レディバードレイニング・ストーンズの2本立てを観たときは死にたくなったものだ・・。とはいっても、彼らが身を置いているドツボ描写は一応押さえてある。主人公の青年は父親になるが、ガールフレンドの父親や親戚から憎まれていて、彼が暴力事件を起こして刑務所行きになるように、しょっちゅうケンカをふっかけられる。本当に刑務所に行くまで、おそらく止むことはない。銃は出てこないので、殴り合い&ナイフのアナログなケンカなんだけど、憎悪むき出しのやり合いを観ていると、ああ、もうこの子の人生終わりだな、と、ちゃんとケン・ローチ体験は出来るのでご安心を。

 主人公がドツボを抜け出すきっかけになるのは、裁判所から命じられた社会奉仕活動の世話をする親切なおっちゃんが、ウイスキー好きなことから始まる。主人公は抜群に鼻がきく(効きウイスキーが出来る)ことが発覚し、そこからストーリーは展開するのだけど、このあたりの描写が、いまいちぼんやりしている。どう見ても全然ウイスキーに興味なさそう。物語としては、1シーンでもいいから、ウイスキーに目覚める描写があったほうがいい。ドツボ脱出できるなら、まあいいか、くらいのだるい感じがしてしまう。ここでびしっとしてないので、最後まで、なんか適当な印象が残る。素人俳優のせいじゃなくて、演出のせいだろうなぁ。最後は、金持ちからはぶん取ってもよし、精神で盗みを働き、万事OKで終わる。この解決法は、コメディ的にはありだけど、やっぱり主人公の動機がもっと鮮やかに描かれるべきだった・・。リアルといえばリアルなんだけど。

 しかし、せしめたウイスキーを最後におっちゃんにも分けてあげるとか、これもトレインスポッティングと同じね。ちなみにスパッド(spud)って、ジャガイモ、のことです。


残りは与太話。
 
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マーサ、あるいはマーシー・メイ


マーサ、あるいはマーシー・メイ Martha Marcy May Marlene

 カルト(コミューンっぽい)から逃れて、姉の家に滞在しながらも、過去のトラウマに苛まれる女の子を描く静かなサスペンス。不思議な原題だけど、これは彼女の3つの名前を連ねたもの。マーサ(本名)、マーシー・メイ(カルトでつけられれた名前)、マーリーン(外から電話がかかってきたときにカルトの女の子全員が使う共通の偽名)。

 カルトを仕切る怪しい男にジョン・ホークス。アカデミーでヘレン・ハントが助演ノミネートになったThe Sessionsの主演。実はミランダ・ジュライの君とボクと虹色の世界で、ミランダの相手役をやってる(プロデューサーも兼ねてるのね。どんなつながりだろう)。話題になったのは、ウインターズボーンでの、主人公の叔父役。凶暴そうな顔つきと、なで肩で細っこく、かつムキムキという特異な体型が印象的な俳優。リンカーンにも出演してるし、静かに旬な役者さんです。マーサ〜では弾き語りを披露しているけど、ウインターズボーンでもやってたかな? バンドをやってたことがあるらしいので、多分本人が演奏してるのだろう。
 主人公のマーサは、フルハウスのオルセン双子の実妹、エリザベス・オルセン。姉がショウビジネス界で振り回される姿を見たせいか、単身NYで勉強していたそう。オルセンの名を借りる必要のない実力派になりそうな予感。若い女性の四肢の美しさがうまくカメラでとらえられていて、すごく綺麗だった。
 主人公の奇行にうんざりする、姉の夫を演じるのはイギリス人俳優、ヒュー・ダンシー。この人好きだけどこの映画では、他の人がやってもいいよなーと思うぐらい存在感なし。彼は、4月に公開するヒステリアでマギー・ジレンホールと共演している。バイブレーター黎明期を舞台にしたお話。


 説明を極力そぎ落として、画で見せる映画なので、細かいことは判然としない。だから観てるほうは想像しながら観ることになるので、けっこう集中して、観た後もぼぉぉっとしてしまった。カルトに居たときの様子は、回想シーンで断片的にしか描写されない。そして、姉や姉の夫には、何があったのかを一切話さないから摩擦が起きる。もう面倒見きれない!とまわりの人間はキレるけれど、彼女は素直に謝ったり、時には反論もする。たまに奇行に見えることをやる以外は、普通に見えるのだ。このあたりのバランスが、すごくリアル。普通に行動しているように見えて、時々、スッと「常識」から外れてしまう。映画的な誇張した描写が少ない分、彼女日常からもっと遠いところに行ってしまっているのをより実感することになる。

 本作は、フェミニズム映画としての顔もあるみたい。いつの日か、女性の視点が描かれることがことさら取り上げられないような世の中になるといいですね・・・。
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ジャンゴ 繋がれざる者

 

ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained

 町山さんのジャンゴを語るトークイベントは、参加者が事前に試写会を観られるといういたれりつくせりの企画だったので、虎ノ門のソニー・ピクチャーズ試写室で観てきた。丸の内周辺のオフィス街特有の、敷地が広くて(多分)古いビル。日本じゃないみたい。

 映画は、2時間45分の長さを感じさせない面白さ。もうあと何本か撮ったら監督は辞めると話しているタランティーノも、すっかり安定感のある大物なんだなぁ。
  ジェイミー・フォックスはなんたって、声が細い。顔は優しくて体もすらっとしていて都会的なので、凄みはないけど、タランティーノ映画なので、これくらい軽くていいのかな、という気も。ディカプリオは、もっと悪役やるといいのに。今まで見たディカプリオの中で、ベスト。
 
あらすじ
 賞金稼ぎのシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)が、目当ての人間の顔を知るジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を奴隷商人から奪って、仲間にする。ジャンゴの離ればなれになった妻(ブルームヒルダ)が居るキャンディ(ディカプリオ)の屋敷に奴隷を買いに来たフリをして潜入し、彼女を救い出そうとする。

マンディンゴ・ファイティング
 屈強な奴隷同士を、闘鶏のように相手が死ぬまで戦わせる。自分の奴隷が勝ったら、奴隷主が儲かる仕組みだ。これは町山さんがジャンゴを観る前の予習映画として指定してた、その名もマンディンゴという映画の中にもでてくる。こんなことが実際にアメリカ南部で行われていたのか?こちらの記事によると、文献としては残っていないのだそう。理由は、奴隷は貴重な財産なので、健康で丈夫な奴隷をみずみず死なせるようなことはしない、というもの。でも奴隷を殺したり、使い物にならなくなるような拷問をやっていたのだから、矛盾しているような気がする。ジャンゴでショッキングなのは、このマンディンゴ・ファイティングを、キレイな居間でやってるところ・・。

鍵は外国語
シュルツはアメリカ生まれではなく、ドイツ訛りがある。キャンディの屋敷に潜入してブルームヒルダを救うために、このドイツ語を利用するのだ。ブルームヒルダはドイツ系の奴隷主のメイドだったのでドイツ語が話せるという設定。そこでシュルツが、母国語で会話できるのは嬉しいなぁとか言いながら、キャンディから彼女を買おうとする。イングロリアス・バスターズの時も、英語とドイツ語の理解力(仕草、だっけ?)を鍵にした仕掛けがあった。

ヒエラルキー
当時、奴隷は人間ではなく、純粋に「財産」として扱われていた。奴隷市場で、「こいつは丈夫だよ〜」と大声を張り上げて売りつけるシーンをみても、完全に物として見られていたことがわかる。女性の奴隷は白人の奴隷主に犯され子供を産まされて、子供を売り飛ばされる。奴隷主からしたら、何もないところからカネがでてくるようなものだ。
そんな奴隷もいたと同時に、屋敷の中でメイドとして働いたり、奴隷を仕切る黒人も存在する。美人なら、側に置いてかわいがられる黒人もいたのだ。ジャンゴの中では、サミュエル・L・ジャクソン演じる執事がそう。メイドたちを仕切って、拷問だってやる。サバイバルを考えたら、他人を蹴っていい思いをしようとするのが人間の性ではあるけれど、これってものすごく倒錯してない??

あとはネタバレにもなるので、畳みます。
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ted

めずらしく新作を1週間で3本も観た。


ted

ぶりっこして、同僚のレジ打ち女をひっかける親父。

期待が邪魔をしていまいちに感じてしまったted。やはり固有名詞の意義を日本語字幕で置き換えるのはがんばっても無理な気がした。頭の中で変換して、また映画に戻って・・となるので。文字で見てしまうと意外にインパクトが強い。「星一徹」と読むと同時に、超アメリカンな映画の世界が同時進行してるので、映画に入り込めない。一瞬でも映画から離れてしまうのはまずいなーと思った。100%字幕に頼ってる人のためにはそれでも笑えるほうがいい、という選択なのはわかる。でも、字幕に頼る度合いって、そんなに全面的とも思えない。でもネタをぼやかしまくったら、全然何が可笑しいかわからん、という事態になるわけで、これは無理難題。

とにかく、ネタがローカルで世代も強く関係すると思われる内容なので、よくこんなにヒットしてるなーと感心する(30億とか)。
アメリカの人形ってあんまかわいくないけど、テッド熊は殺人的にかわいいので、不思議ではないのだけど。ちなみにこの熊、監督のセス・マクファーレンがマーチの権利を持っているらしく、配給会社が日本公開時に許可をとって販売しなかったのはなぜ??

ストーリーは、子供の頃からの唯一の親友であるテッドと主人公が、いつまでもマリファナ吸ってきゃっきゃする関係を断ち切れず、大人になれないという話。もちろん、テッドは主人公を大人にするために犠牲を払ったりするのだけど、いまいち、テッドが主人公のことを想っているという描写がないのが気になった。まあ話の流れじゃなくて、コネタ満載の会話がウリの映画なのだろう。ちなみに、後ろに座ってた若い女子二人組が、上映終了後、「これってイギリスの映画・・?」「そうだと・・・思う」という会話を交わしていた。そういう人が見に来ないと30億いかないよね。
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砂漠でサーモン・フィッシング



砂漠でサーモン・フィッシング

 同名ベストセラー小説の映画化。アフガンで戦争しているイギリスが、自らのイメージアップを図るために国を挙げてイエメンで鮭釣りを実現という無謀な計画を敢行(でも経費はイエメンの大富豪持ち)。そこで駆り出される学者のユアンはぶつくさ言いながらも、共にプロジェクトに関わる美人さんといい感じになったり、「神秘的な英語を話す」大富豪と友情を育んだりして、自分の停滞した人生を見直す。ラッセ・ハレストレム監督作なので、観たあと気分が良くなる、ちゃんちゃん、な映画。見どころは、クリスティン・スコット・トーマス演じる英国広報官。首相を含む周りの人間をびしばしと使いこなす豪傑っぷりが素敵。彼女の話芸を聞くだけでも観る価値あり。

 時事的なところだと、アフガン戦争に参加するイギリスという現実がうまく取り込んである。エミリー・ブラント演じるハリエットは、プロジェクトが始まる直前、数週間ある特殊部隊の兵士と付き合っていたが、急に戦地に招集され、離ればなれになってしまう。そしてニュースで英国兵士が行方不明になったと知る。てっきり死んだと思っていた彼は生還するのだけど、不在の間にユアンにも惹かれ始めていたので、複雑な心境に。その気持ちに気づいた彼が、最後ハリエットにこう話す。「戦場にいる間は君だけが心の支えだった。You don't owe me」英語の部分は短い文字数しか入らないので「遠慮するな」となっていたけど、僕が生きて帰ってこられたのは君の存在を支えにしていたおかげなんだから、僕は君に借りがある。君はもう好きにしていいんだよ、ということですね。二人の付き合いがごく短い間だけだったからというのもあるだろうけど、なるほどそういう考え方もあるのね。

 ユアンはちゃんとスコットランド出身という設定になっている。写真は、釣り好きでインテリな大富豪所有のスコットランドの別荘近くで釣りをするシーン。さすが様になる伝統的な釣り服姿。スーツとか、ほんと似合わないもんね。しかしユアンは映画の中で、夫婦とかカップルの役をやると、かなり高い確率で相手の女優さんと居ても違和感がありすぎる。この映画の中でも、奥さんが、叔母さんか?て感じだし。ニコール・キッドマンとかキャメロン・ディアスとか、レニー・ゼルヴィガーとか、ありえんくらい相性悪い。まだ未見だけど人生はビギナーズでのメラニー・ロランは良さそうかな。意外にジム・キャリーとも良かった気が。でもまあスコッツはスコッツの映画にでてるのが一番しっくりくるということで、猟人日記エミリー・モティマーとは相性良かったかも。ユアンってなんかヘタレなイメージがあるのか、なよなよした役が多いけど、猟人日記みたいにbleakな役が似合うと思うんだけどなー。しかし猟人日記って、ほんとヒドい邦題やね(原題Young Adam)。訴える方向性が違う!

 追記:私はユアンの話し方とか声とか訛りとか、もうすべてが好きなので、彼が読むオーディオブックがあったら毎夜聞きながら眠りたいです。あのカカカ笑いも!
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日活映画の100年 ふるさとの歌

 最近、自分もいい歳になってきたなぁとしみじみ思うことがある。もっぱら洋画ばかり観てきたけれど、邦画が観たい!と思えるようになってきたのです。購読している柳下毅一郎のメルマガ(ブログマガジン?)皆殺し映画通信に、邦画の特集上映の情報もアップされているので、追いかけやすくなった。ところで、皆殺し映画通信って、思わず声に出して言いたくなるよね。ミナゴロシ!
 ここ数ヶ月は、東京のあちこちでいろんな特集上映をやっている。今日は日活映画の100年の中から、溝口健二監督作で現存する最も古い作品、ふるさとの歌(1925年)を観てきた。うっかり見落としてた、というか当たり前だけど、もちろん無声映画だった。わりと大きな劇場で、8割方席は埋まっていたと思う。7割は50代以上でしょうか。この映画、文部省が日活に製作を依頼しているので、プロパガンダ的要素もみられる、とある。たしかにキレイすぎるお話だった・・。



 田舎の豪農の出である兄(名前忘れたのでA)と妹は、都会の学校に通っている。休暇で里帰りすると、小学校時代の同級生、竹田が馬車の運転手をしてるのを見かける。都会に出たほかの同級生たちは、小学校で一番の優等生だった竹田のみすぼらしい姿をからかうが、Aは昔と変わらない態度で竹田と接する。二人は良い友達だった。竹田の父は貧しい小作農なので、農業を学びたくても、どんなに優秀でも都会に出してはもらえない。垢抜けて見える同級生たちをうらやましく思うが、善良な竹田はぐっと我慢する。

 ある日Aと竹田は、妹たちを連れ立って遠足にでかける。川辺で休んでいると、西洋人を乗せた船から、子供が川に落ちるのを目撃。竹田が飛び込んで子供を助けると、親が礼を言い、大金を与えようとするが、竹田は「わたしは日本人です」の一言でしりぞける。西洋人は、いたく感心して、すぐに引き下がった。もう一回オファーしろよ!

 村では、都会帰りの学生たちが倶楽部と称して、女の子を集めて畳の上のダンスパーティーを繰り広げていた。都会の面白いお話を目当てに、竹田とAの妹たちも出かけていく。それに気づいた彼らが、現場に押し入り、竹田が一席ぶつ。「勉学もよいが、それよりも、汗水垂らして畑を耕すほうが大事ではないか?農村を見捨てたら、この国はたちゆかない!」あれ??あんなに勉強したがってたくせに。どう転んでも都会で学ぶことができないと悟った末、ポジティブシンキングすることにしたのだ。西洋人から大金をオファーされたときは、バテレンの金など受け取れるか!と思ったのかどうかは分からないが、日本人としてのプライドが邪魔をした。竹田の演説を聴いてる間に、さっきまであんなに調子こいてた都会学生たちはみるみるうちに改心してゆく。「僕たちが間違っていた!」

 竹田がいつものように乗り合い馬車を走らせていると、あの西洋人が乗る車とすれ違う。事のいきさつを聞いた連れの日本人が、竹田の不遇を語って聞かせる。後日西洋人が竹田の家を訪ねてきた。家族の前で、竹田が都会で学べるように一切をとりはからう、と言うのだ。竹田の頭の中に、先日の演説がフラッシュバックする。そして背後で悲しそうな顔をする家族。喜んでやれよ! もちろん、竹田は2度目のチャンスもふいにする。「わたしはこの村で生きていきます!」最後は高台から村を眺めてやる気に満ちたショットで終わるが、竹田青年の前途は真っ暗なことだけは確か・・。

 こいつクソ真面目すぎて可哀想だなーと思うけど、この自分を縛るというか、自分=個人と思えない日本人の性質まるだしなのが面白い。これがアメリカなら、ここで映画が終わるのではなく、もちろん金をもらってどんだけのし上がるか、まで描くはず(ついでに、成功しても幸せになるわけじゃない、と落ちるとこまでやる)。当時の文部省がこの映画で伝えたかったことは、愛国心を持て!なんだろうけど、前途有望な青年を勉学から遠ざけることが国益になるのか?? 調べたら、1925年の出来事には治安維持法の成立、ヒトラーの台頭などがある。

 観ていてまったく心の晴れない映画だったけど、一番気になったのが、竹田とAだけが、アイラインばっちりだったこと。心晴れないもうひとつの理由は、ふるさとの歌の前に併せて上映された、関東大震災直後の映像・・。死体というのは、時間がたつと人なのか何なのか、分からなくなるものね・・。
 
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輝け!にっぽんのお仕事ガール:若い季節

 

 ラピュタ阿佐ヶ谷で開催中の特集上映、輝け!にっぽんのお仕事ガールのことを知って、速攻何を観るか決め、3回券を買った。こんなに予定を立てて観に行くのは珍しい。特に昭和ガール好きでもないのだけど、早い話、このポスターに説得されたという気がする。ラピュタ阿佐ヶ谷のポスターは、駅までの通り道にある古本屋の前に飾られているので、毎日見ている。昭和の怪優、西村晃!とか、ポップなアートワークが目立つので気になってはいたけれど、行くのは初めて。


 初回は若い季節(1962)。銀座の化粧品会社が新製品を巡って競い合う、オフィスを舞台にしたドタバタコメディ。監督は同年にニッポン無責任時代を撮っているとあって、クレージーキャッツの面々が揃って出演。クレージーキャッツはみな役名が、芸名のまま! 坂本九は坂本九馬、ジェリー藤尾は、野比のび太ならぬ(いや、藤子不二夫か?)、藤尾富士男。突然画面が変わって、ウエストサイド物語(1961)ばりの踊りが始まったりして、ミュージカル風味も。サラリ〜マンは気楽な稼業と〜きたも〜んだと、植木等が歌いかけたら、坂本九が代わりに歌っちゃったり、逆にうえをむ〜いて、は、植木等がしんみり歌っている。元々テレビドラマだったので、みなさん、知ってるでしょ?というノリが、もちろんドラマを観てなくても楽しい。

 お調子者の宣伝部長を演じる植木等は、やたらとくいくい腰を振って踊り始めるし、まるまるとしてドラえもんみたいな谷啓、チョビひげのハナ肇・・。みなさん晩年に近い頃の映像しか観てなかったので、やっぱりすごいコメディアンだったのだなぁと今更実感。坂本九に至っては、現役で動いている姿を初めて観た。あまりにも早くに亡くなったために伝説のようになっているから、どんだけすごいのかと思ったら、たしかに面白い。ジェリー藤尾は、なんとなく名前と顔だけ知ってる、くらいだった。外国人とのハーフっぽいので、この時代の芸能人ハーフの人の出自が気になるのでwikiってみると、なかなか波乱万丈な・・。ちなみに、観ていて一番反応したのが、坂本九とのすっとぼけたやり取りが最高だった、有島一郎。痩せていて肩幅が広く長身、ちょっと遠視っぽいでかいメガネをかけているその姿がロバート・クラムっぽくてちょっと萌えた。こちらのブログをみたら、なんと暴れん坊将軍で爺を演じてた人だった・・。

 飲むお白い粉とか、液体口紅(今で言うグロスのことか)を売るために、過大広告を平気でやっているあたり、設定が同時代のMAD MEN(NYの広告代理店を舞台にしたアメリカの人気TVシリーズ)を思い出す。銀座4丁目交差点と思われるあたりがでてくるけれど、まだまだ青い空が広がっていて、GINZAと書かれた細い道案内の看板が見える(占領時代の名残?)。洋風な建物もまだまだ残っているし、走る車がかっこいい。今どきの車って、ほんとにアグリーよね。料亭のおかみさんの着物姿も気になった。半襟がほとんど見えない!今着物を着ると、あれこれとルールがうるさいけど、現役で着ていた人たちの着こなしをみると、普段着なだけに、けっこう崩れている(ようにみえる)。それでよかったんだよな。もちろん今と昔では着物を着ることの意味合いが変わっているので、ルールの違いも当たり前だけど。面白いのが、毎日会社に来てりゃ毎月給料袋がもらえるなんて、ありがてえこった、と言う植木等(実はタイムカードは坂本九に打たせておいて、ちゃっかり遅刻常習犯)が、喫茶店のツケを請求しにくた青島幸男演じるカフェのマスターに追われるところ。うちのお母さんも、70年代に広告代理店で働いていたとき、飲み屋はツケで飲んでいたらしい。今でもツケという風習は残っているだろうけど、喫茶店もツケなんてね。




 全体的に、ザ・高度成長期な、お気楽ムード満点の展開だけど、ちょっと考えてみる。植木等演じる宣伝部長が37歳の設定だとしたら、1925年生まれだ。終戦時にはちょうど20歳。復員兵でもおかしくない年齢になる。20歳ということは、生まれたときから終戦を迎えるまで、常に日本は戦争をしていた時代だから、軍国主義に染められた子供時代を送っているはず。この戦中派と呼ばれる人たちが、戦後を生き抜くのに苦労した世代だと最近読んだので、植木等のからっとして、戦争なんて知らない、という風情がなんとも微妙。もちろんいろんな考え方の人がいて、彼のように、「未来に希望がある」ことを楽観的に受け入れる人たちもたくさんいたのだろう。一方、いくら戦後17年とはいえ、実際に社会を動かしていたのは、明治生まれの戦前派の世代だった。わたしたちは、戦後の民主主義社会を、うっかりすると、新しい世代が担ったと考えがちだけれど、年齢を考えると、高度成長期に会社や政府のトップにいたのは、明治生まれの人間。意地悪な言い方をすると、満州事変から太平洋戦争の時代に、すでに大人で、発言権もあった人たちということになる。

 日本は戦争に負けて、7年近くアメリカに占領されて、その後はひたすら金儲けのために奔走した(所得倍増計画なんてどぎづくて、ドロ臭いことを総理大臣が言う時代)。今振り返ると、私のような、子供のころにバブルが崩壊したので不況しか知りません、なんて世代にはノーテンキでキラキラしてみえる高度成長期。でもしかし、戦争で徹底的にやられてみなおなかすいてるから、というエクスキューズを掲げて、生活水準を上げるために躍起になり、やるべきことをやらなかった、時代にもみえる。最近またこの辺りの本を読んでいたための入れ知恵だけど・・。日本が占領していたアジアの国々への補償や、アメリカが日本にとってどういう国なのか(もちろん日本はアメリカの属国であること)などのクリティカルな問題を、あとまわしにしてきたから、今私たちは21世紀になっても、なんか日本てヘンじゃない?とか、ダメな国だ、などの議論が絶えない、らしい。そんな話を読んだあとに、お気楽な60年代映画などを観ると、外国を観ているようで面白いのと同時に、うーむ、それでよかったのか?など考えてしまう。

 私はこの後、観賞用男性と、その場所に女ありて(トーキョーの広告代理店で働く女性たち!)を観に行く予定。ちなみに、今日土曜の昼間に行ったら、定員48名のうち、30代以下の女性は私含めてたった3人だった・・。3分の2は男性(40代以上)だったかな。あとは当時を知っているだろうおばあさま方でした。うはは!と笑い声を挙げているのは、おじいさんのみ。なんでそこで笑うのか分らなかったりして、そこが面白かった。
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