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沖縄関連の本 その3

観光の視点から沖縄を考える本と、未読本。

 

多田 治
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(2008-08)
コメント:沖縄観光の歴史から、ヤマトと沖縄の関係性を探る本。戦前は首里城と買春、復帰前は珍しいものが買えるショッピング、80年代以降はきらめく海。観光の楽しさとうしろめたさ。

奥野 修司
¥ 821
(2007-10)
コメント:未読。戦後すぐの短い期間に盛んだった密貿易を仕切った女性がいた。中継港の与那国島は、台湾と目と鼻の先。かなり丁寧に取材された本のようで、楽しみ。

司馬 遼太郎
¥ 583
(2008-09-05)
コメント:未読。司馬遼太郎は食わず嫌いなのだけど、70年代に歩いた様子が書かれているので面白そう。

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沖縄関連の本 その2

まだ仲村清司さんの本。

 

仲村 清司
¥ 529
(2012-06-27)
コメント:オカルトは信じない仲村さんでも、ユタだけでなく、そのへんにいる普通の人からずばずば自分にしか分からないことを指摘されて困惑する様子がリアルにパーソナルに書かれていて面白い。

宮台 真司,仲村 清司
¥ 1,620
(2014-10-01)
コメント:まだ読みかけ。対談形式なせいもあって非常に濃い内容。宮台真司なので、感情論は横に置いて沖縄の未来を考える。現実を踏まえながら冷静になって政策を考える、って、今現在なかなか難しい状況だけど、なるほどがたくさん。

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¥ 1,028
(2012-02-07)
コメント:軽めの内容なので、ここで読んだことをもっと知りたくなってほかの本へ移動するのがよいかも。

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沖縄関連の本 その1

沖縄旅行に備えて、街歩きから歴史までまとめ読みしました。どれも実に面白い。ほぼ仲村清司さんの本。ひとつの記事に3つしかリンクが貼れないので細切れに。

 

 

仲村清司,藤井誠二,普久原朝充
¥ 1,728
(2016-04-26)
コメント:専門や世代の違う3人が、沖縄の裏スポットを臨場感たっぷりに紹介する。これを読んでコザに興味がでてきた。

仲村 清司
¥ 1,512
(2011-06)
コメント:先史時代から薩摩による侵略、琉球処分、沖縄戦に至るまでの沖縄の歴史を知ることができる本。月並みだけど、昔があって今がある、をしみじみ実感する。

下川 裕治,仲村 清司
¥ 972
(2011-02-18)
コメント:沖縄の今について書かれた本。穏和な沖縄人気質は、歴史的に鉄が不足していたことに由来する、という司馬遼太郎の見解を紹介していて面白かった。

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戦後は続くよ、どこまでも


 最近ツイッターでやかましく書いている「戦後史の正体」について、やっぱり少し書いておこうと思う。書かれている内容だけでなく、こういった本が出版されること自体が驚きを持って受け入れられているという哀しい現実にも、衝撃を受けざるを得ない。個人的に、これを読んで、もやもやしていてさっぱりストーリーが見えなかった戦後史について、いくらか霧が晴れたような気がしている。条約や日米の主要人物の発言・著作から多数引用があり、筆を尽くして現在の日本に対して警告を発している姿勢を、陰謀論で片付けるのはあまりにも乱暴であり、かつ、自ら思考停止をさらけ出しているだけだと思っている。本の帯には、「タブー」と書かれているけれど、これが「タブー」とされてきた現実を、私たちは憂えなければいけない。驚いてる場合じゃないのだ。

 この本を最初に知ったのは、書店で平積みされているのを手にとった時だった。戦艦ミズーリ号での降伏文書調印式のカラー写真と、帯の装丁が気になった。ここ数年、日本の戦争についていくつか本を読んでいて、戦後史は適当な本が見つからず、どうにも手をつけにくいなあと思っていたところだった。孫崎さんの名前を見たのは初めて。後で、ツイッターで内田樹と平川克美が、戦後史の正体を読んで驚いた、と書いているのを読む。孫崎さんは、駐ウズベキスタン大使、駐イラン大使、国際情報局長などを歴任したあと、防衛大で教鞭をとり、2009年に退官している。

 本書では、日本の敗戦から現在に至るまで、占領時代から始まり、アメリカがどのようにして政治経済などのあらゆる分野で日本をコントロールしてきたかを検証している。それに対して、日本の政治家はアメリカ追従路線をとるか、自主独立を目指すかで覇権争いをしてきた。小沢一郎も鳩山由紀夫も福田康夫も岸信介も、自主独立派であったために、様々な方法で失脚させられているというのが孫崎さんの主張(戦後の歴代首相ひとりひとりが、どちらの路線をとったか検証している)。アメリカにコントロールされている面もあるが、実際に手を下すのは同じ日本人だ。マスコミも大きく関与しているのは、鳩山由紀夫が異常にマスコミに叩かれた記憶が新しいのをみてもわかる。

 こう聞くと、同盟国であるアメリカがそんなことするはずがない、とか、あるいは反米感情に火を付けそうな印象を受けるかもしれない。大事なのは、アメリカは大国であり、世界戦略を持っている。その戦略の中には日本をどう利用するかももちろん含まれている。アメリカの対日戦略は変化するものであり、その都度、日本は自国の主張を踏まえながら、物申さねばならないということなのだ。アメリカが対日工作を行っていることなんて、考えたら当たり前のことだが、日本はそもそも「戦略」を考える機関がどこにもないというのが驚き。日本が核武装しない選択をするなら、何よりも外交でしか身を守れないはず。日本にこそ、対中対米工作が必要なのでは。

 今までコントロールされてきたというのなら、どうせ楯突いても無駄なんじゃないかというと、それがそうではないらしい。しかも、占領時代真っ只中に、米軍は12年後に日本から撤退するように進言したり、有事駐留(緊急事態の時にのみ日本に駐留する)を唱えた政治家が1960年ぐらいまでは存在した。そしてアメリカは、それなりに妥協案をだそうという姿勢をみせたという。そもそも、1945年9月2日の降伏文書調印後すぐにアメリカが提示してきた、英語の公用語化、流通紙幣をドルになどの案を、決死の覚悟で覆した重光葵という政治家もいたのだ。一番アメリカからの圧力をまともに受けていた占領下でさえアメリカと交渉しようという人物がいたのに、ソ連の防波堤としての日本の利用価値が激減した冷戦後(90年代以降)になって、ますますアメリカ追従路線が主流になっているという。この原因について、孫崎さんはたしか明確な理由を述べていないと思うけど、内田さんは、日本人は「思考停止」していると書いていたと思う。

 youtubeで孫崎さん関連の映像をみると、コメント欄に、愛国心がないとか、中国寄りだとか書かれている。人は同じ文章を読んでも、自分に都合のよい解釈しかしないのがよくわかる。孫崎さんが口を酸っぱくして話しているのは、日本は武力衝突を避けるために、あらゆる手段を講じるべきだ、ということ。そして、なんでもアメリカの言うことを聞くのではなく、日本の国益にならない場合は、徹底して抗議するべきだ、という当たり前のことだけなのだ。それにしても、金を出せばほい、とくれるし、そもそも戦略を理解できずに自分たちの言うことを聞く日本を、アメリカは不可思議だと思っているに違いない・・。話にならない、と言われても仕方ない。これはアメリカでも中国のせいでもなく、紛れもなく日本の問題なのだ。先の戦争といい、日本人の悪い癖は、自分たちの未熟さや無責任を直視できずに、いっぱいいっぱいになると思考停止してしまうことにあるような気がする。「こうするしかない」は、思考停止と同じ状態であって、政治家の発言としては最低だし、自ら無策無能であることを吐露していることに気づかないのは、深刻な病だと思う。
 私たちにできることは、できる範囲で勉強することしかない。孫崎さんの言うように、「自分の頭で考えること!」。これは、活動家として「アメリカの正体」を語り続けたノーム・チョムスキーと全く同じメッセージだ。


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資料

 youtubeに再生リストを作ったので、見てみてください。思い切ったことを書いてる人なので、どんなお人かと思ったら、にこにこしたおじちゃんで安心する・・。登場するメディアによって当然顔つきも態度も少し違うけれど、内容的に一番突っ込んでるのは、ニコニコ動画だろうか(外務省の元同僚も見てることを意識して話している)。尖閣諸島・竹島についての動画もあります。

 本書の冒頭が読めます

 著者が語る「戦後史の正体」



 
 これは余談だけど、「戦後史の正体」の表紙写真について。戦艦ミズーリ上での調印式は東京湾内で行われた。持ち込まれた星条旗は、ペリー総督が日本に開国を迫りにやってきた当時に掲げていたもので、マッカーサーの演出だったらしい。この調印式の、もっと引きの写真を見たことはありますか?私が見たのは下の写真とは違う角度だったのだけど、下級の兵士たちが甲板に座って足をぶらぶらさせながら、気軽に調印式を眺めているのを見て、驚いたことがある。署名に参加した日本の参謀総長は、署名するなら死んだほうがましだ、と渋っていた。なんたる落差・・。


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最近面白かった本たち

めずらしく読んだ本の感想など。私は和書はほとんど図書館で借りているので、読んだ本がなんだったか思い出せないことが多い。そのためにちょっと前からブクログを使っていて、今ではちゃんと本棚に並んでいるのを見渡せる。わー、、少ない。まあそれはおいといて、中から3冊ほど。


カンバッジが語るアメリカ大統領  志野 靖史

これは西荻の古本屋で買ったもの。アメリカ大統領選でキャンペーンに使われるバッヂをコレクションしている著者が、コンパクトなスペースいっぱいにメッセージをのせたバッヂを紹介する本。一番古いものは1896年からオバマ大統領まで網羅している。バッヂはひと目見てすぐにわかるかどうかが勝負。各候補のキャラクターや看板印をあしらったアイテム、ネガティブキャンペーンものなどなど、掲載されている点数も多くて、フルカラー。時代とともに変化する表現方法や、その当時の時代背景もわかりやすく説明されている。とってもおすすめ。





すばらしきアメリカ帝国 ノーム・チョムスキー

数年前にハマってよく読んでたけれど、久々に借りてみた。老齢になったチョムさんがやわらかなイラストで表紙を飾っているけれど、もちろん相変わらず飛ばしてます。これはインタビューを起こしたものだけど、専門の言語学以外の彼の著作は、たいていどれを読んでも同じことが書いてある(もちろんリピートすることはすばらしいこと)。

1.世界で一番強大な国(アメリカ)のやることは、強大であるがゆえに犯罪ではなくなる。

ジュネーブ条約を破ろうが何をしようが、安保理の拒否権を使って突っ走ることができるのは、世界最大の軍事大国だから。ジャイアンだね。


2.怠慢で政府に迎合するメディアや知識人を信じるな。

ここ日本でも最近お馴染みな考え方ですね。一般人と違って、調査や取材ができる立場にいながら、世論をミスリードする人々。これって実は見逃せない、けっこう罪深いことだと思う。


3.自分の頭で、常識を使って考えよう。

よく言われていることだけど、アメリカは恐怖心によって束ねられている。ソ連がキューバを基地にしてアメリカを襲ってくるぞ!!なんて、あんなちっこい島国が? 世界で一番爆弾持ってる奴の言うことか?と、しばし頭を使って考えればわかること。チョムスキーの講演を聞いた一般聴衆は、がっくりきてしまい、では私たちはどうすればいいでしょうか?とよく聞かれるらしい。そして彼は、それは難しいことではありません、常識で考えてみてくださいと答えるらしい。いやぁ、きついね。

チョムスキーは若いころからずっとMITに在籍して教えているし、かなり高額の給料ももらっている。でも、ベトナム反戦運動では投獄(長期ではない)されているし、心はアクティヴィストそのもの。ただ、それが膨大な資料に基づいた知識にささえられている。彼が暗殺されたりしないのは、こうした考え方がまだまだ根付かないということなのか・・。でもここまで自国の糾弾できる人が、生粋のアメリカ人であることが、アメリカの救い。




ハンバーガーの歴史 世界中でなぜここまで愛されたのか?  アンドルー・F・スミス

こちらは楽しいハンバーガーの歴史。正確な起源はもちろん不明だけど、20世紀になる前から、似たようなレシピはイギリスやアメリカなどの当時の料理本に残されている。20世紀前半に、アメリカ国内で鉄鋼業が盛んになり、工場が次々と作られ、そこで働く労働者が手早く食べられるランチとして急速に広まった。
そしてハンバーガーといえばマクドナルド。やはりこのメガチェーン店であり、業界のパイオニアだったマクドナルドの変遷に多くの頁が割かれている。ファーストフードの歴史は、テクノロジーの進化とともにある。たとえば1950年代以前は、店内で高温の油で揚げなければいけないフライドポテトは、火事の原因になるとして、あまりメニューに載らなかった。シェイクも、同時に何杯も作れる機械が登場してあちこちのチェーン店で導入された。
ハンバーガーという食べ物自体が、すでにアメリカ的。合理的で単純に利益追求しまくることに余念のないアメリカの姿がどっしりと背後にみえる。


そして半年以上待ってやっと入手した新刊のカナダのコミックが面白くて。ほぼ10年間に渡っていろいろな売春婦と寝た記録をつづった漫画。このせいでセックスについて考える日々が続いている。ちゃんと読み終わったらまた感想でも。
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松浦弥太郎〜NYホテルの想ひ出

最近の電車の友は、松浦弥太郎著「場所はいつも旅先だった」だ。松浦弥太郎といえば、cowbooksというおされな古本屋を経営していて、あの「暮らしの手帖」の編集長。cowbooksは青山と中目黒にあって、行ったことがあるけれど、ちょっと惹かれるアメリカ系のセレクトなので気になりつつ、なぜこんなにスマートでおされなんだ・・と残念な気もして複雑な思いで店を出ることになる。そう、なんかスマートすぎるんだよなあ、というのが松浦弥太郎の印象。なのでいくつかある著作も距離を置いていたのだけど、こないだふと気になって読んでみた。

彼は若いころ、写真家になりたくてNYへ行ってみたものの、自信をつけられずに挫折。そのあとは西海岸などで観光ビザ3か月ぎりぎりで滞在して、日本に帰って割のいい短期バイトで稼いでは、また戻ってくる生活をしていたらしい(80年代末〜90年代の話。もう今ではそんな技は通用しないでしょうね・・)。宿泊先は知り合いの部屋、裏庭のテント、キャンピングカー、安宿などを転々としていた。最近コミックで読んで気になっている、サンフランシスコの貧民街、テンダーロインが出てきてうきうき。白昼路上での黒人キッズ同志のロマンス、お気に入りの安ホテルは、立地のわりになぜ営業妨害を受けないのか、など素のストリートの匂いがよく描かれていて面白い。

当時、日本の古着屋から、古いリーバイスを見つけて送ってくれたら高く買うと言われて、運よく大量に仕入れることができて大儲けするエピソードがある。裏原でヴィンテージジーンズが法外な値段で売られていた時代の話。このあとの顛末を読むと、まあ古着屋ってのはアコギな商売なんだなぁと実感。元同僚の彼女が某有名古着屋で働いていて、その内部事情など聞いたことがあるけど、まあ胡散臭いこと。勝手に値段をつけて売るんだから、そういうものだろうけど。着物もしかり。松浦弥太郎がのちに本業とすることになる古本の世界も、似たようなものであることが垣間見える。こちらは本なだけに、もうちょっと真摯な世界でもあるけれど。

文化系おされのど真ん中にいると思っていた松浦弥太郎も、アメリカの下のほうでいろいろやらかしてたんだなぁと思うと、ちょっと親近感がわいてきた。などと思いながら読み進めていると、聞いたことのあるホテルが登場してきた。ジーンズで儲けたとき、仕入先を探してくれた当時のガールフレンドと儲けを折半して、このお金で一旗揚げようとNYへ移動する。そこで見つけた安ホテルはWashington Jefferson Hotel 、ウェスト51st の8番街と9番街の間だという。名前はおぼろげにしか覚えてなかったけれど、この住所だけはしっかり暗唱していたので覚えている。タクシーで帰るときにドライバーに告げるから。ここは私と大学の同級生女子3人で97年にNYで滞在したホテルだった。

20歳そこらの若い私たちだけで危険なNYへ行くというので心配した友人の父からの紹介で、知り合いがやっているNYの日本食レストランの従業員が住んでいたホテルだった。NYのような大都会では、アパートのレントよりも安ホテルのほうが安く上がるので、居住している人も多いのはそのときに知った。私は初めての海外旅行だったので、そのときのホテル周辺(ミッドタウン)の印象は、まずうす汚れていててカビくさいことだった。着いたジェファーソンホテル(と呼んでいた)は、まわりに店もなく人影の少ない通りに面したみすぼらしいホテルだった。受付にはラテン系の太ったおっちゃんが一人。松浦弥太郎が泊まった部屋はエンパイアステートビルが見えたらしいが、わたしたちの部屋の唯一の窓は、口の字型の建物の、中庭とはいえない、ゴミ置き場に面していた。みな黒いゴミ袋を、窓から放り投げているの見て、わたしたちも習って窓から放り投げてはきゃっきゃしていた。最低限のキッチンと、小さいテーブルのある部屋に、同じサイズのバスルーム、ダブルベッドが2つとほとんど映らないテレビのあるベッドルームから成る部屋。ちょうど滞在中にダイアナ妃が事故死したのを、同行した友人のインド人の彼氏からの国際電話で知ったのだった。映りが悪過ぎてよく見えなかったけど。

夜になると、ホテルの住人であるヒロがやってきた。日本語英語だけど、生き馬の目を抜くNYで懸命に生き抜こうとしている、少々肩に力の入った日本人男性という感じで、私たちの格好のネタになった。ヒロは会うなり、危ないから9番街から向こうに行っちゃだめだよ、と繰り返し忠告してきた。住人が言うからには本当だろうと思い忠告どおり気をつけた。まあ特に何が危ないというより、よそ者がうろうろして強盗にあったりしても文句いえないぜ、くらいの「普通のアメリカの日常」が存在するくらいのものだったろうけど、旅行者にすれば現地の日常くらい遠いものはない。9番街に立つと、ここから未踏の道には私たち旅行者が一生知るこのできない世界が広がっているに違いない・・と感慨深げに眺めたときの感覚が、結局一番鮮やかに思い出すことだったりする。

実は私たち女子だけではなく、滞在期間は被っているけど別のフライトでやってきた、同じ大学の同級生男子3人組も同じホテルに部屋をとっていた。うちの大学は帰国子女が多かったけれど、彼らも外国暮らしのほうが長い奴らで、格好は完璧にBボーイ。ある日、彼らの部屋に、黒人何人かが部屋にやってきて、ここは俺らの部屋だからお前ら出ていけ、と押し掛けられた。なんだか分からないと話していると、ヒロが俺の出番とばかり、つたない英語で黒人たちに立ち向かっていったときの様子を、彼らはいつまでもマネしながら笑い転げていたのを思い出す。私たちも一緒になってひーひー笑っていたけれど、今になれば、そりゃNYで(貧乏に)生きていこうとすれば肩に力も入るよなぁ、すごく親切なやつじゃないかと思う。当時はそんな彼をバカにしていたのが恥ずかしい・・って、まあ今思い出しても笑ってしまうけど。

ジェファーソンホテルにはヒロのようにアパート代わりに住んでる滞在者も多かったようにみえる。私たちは2週間だったけれど、すっかりこの場に馴染んでいる老人も見かけた。ある日ホテルに帰ると、パトカーと救急車でホテルの前はごった返していた。何事かと思ったら、滞在していたおじいさんが部屋で死んでいたらしい。原因はわからなかったけど、ああそういうホテルなんだな・・と妙に納得したのを覚えている。

そんなジェファーソンホテル、今頃どうなっているのやら・・なんて考えたこともなかった、というのは嘘で、翌年またNYに1カ月滞在したときに、ちょっと見に行ったことがある。でもそれ以来は頭に浮かんだこともなく、この機会にいっちょ調べてみるかとググってみたら、安ホテルの面影は全くない、HBOも観れます、WiFiできますの1泊300ドルのモダンホテルに変身していた。唖然。私たちが行った90年代末も、すでにやさぐれたNYの魅力はもうないと言われていたけど、今じゃミッドタウンに安ホテルなんて存在しないかもしれないなぁ(ミッドタウンなんて泊まりたくないけどさ)。どんどんきれいになってきていると噂に聞くけれど、どんだけなんだろう。しかし、この改装後のホテル内に日本食店ができているらしい。まさかヒロが働いていたりして・・。
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やっぱりニンジャが好きなのね

冷戦下、共産主義の広がりを阻止すべくベトナムに介入したものの、連日テレビで放送される現地での悲惨な状況を見て、国民は大規模な反戦運動を繰り返し、結局兵士たちまでもが戦争の大義名分が見えなくなり、事実上すごすごと退いたアメリカ陸軍。すっかり士気は下がり、ベトナム後遺症に悩まされる中、ある将軍は、武器を使う側に心身ともにダメージを与えず、戦闘を避けるべく考えられた非殺傷武器の開発に乗り出す。そして、壁を通り抜ける術を実行すべく、自分の執務室に体当たりしていた。自分には出来ることはわかっているのに、なぜ出来ない?? 壁を通り抜けたり、にらむだけで生き物を殺したり、ニンジャや超能力の技術を駆使して実際の戦闘で活用させようと本気で考えて作られた特殊部隊が存在した。これらはすべて、あるベトナム・ヴェテランによる、ニューエイジに触発され作られたマニュアルに影響を受けた軍人によって始まった。

荒唐無稽なアイデアが軍上層部に受け入れらたのは、ベトナム後の疲弊と、なんでもいいから試してみようじゃないか、という投げやりな態度だったのかもしれない。大の大人がヤギとにらめっこして殺す練習をしたり、遠隔視と呼ばれる未来予言、遠くにいる人間を思うままに操る、誰にも見られずに建物に出入りする、などなどまるでSFの世界。でもこれはすべて、本気の本気。実際に南米のテロリスト立てこもり事件の際には、透明人間のように動ける人間が実際に呼び出されて活動している。アメリカほどの巨大な軍隊を持つ国では、その圧倒的な武力だけを持って攻撃に出ることは倫理上、現在の世界では難しいからだろうか。先手を打ってなるべく短い時間で、効率よく戦うことが目指されているような感じ。アメリカ陸軍なんて、それこそ世界の最先端の技術が応用されているはずだけど、超能力こそが最先端の武器だと言われれば、納得できなくもない。「だれがにらむだけで人を殺せる人間と戦いたいと思う?」

と、笑えるのはそこまで。この部隊と、それに協力した人間たちで培われたマニュアルは、イラク戦争でも使われていた。女性兵士が裸の捕虜たちに人間ピラミッドを作らせ、その前で親指をたてて笑顔で映っている写真は世界中に報道された。そのほかにも、この世のものと思いたくないおぞましい写真がたくさんあるらしい。このときにはアメリカ軍兵士のモラルの低さ、そして実際に兵士としてリクルートされ入隊する人々は、貧しさから逃げるためである場合も多いことなどが話題なった。でもこの写真を見た、特殊部隊に関わった人間たちは、これはもちろん上官に命令されてやったことだと確信している。まあ軍の規律を考えたら、あの女性兵士一人でできることじゃない。

イラクの捕虜収容所では、狭い場所に押し込めた捕虜たちに、大音量でアメリカンポップスやら、子供向け番組の歌を流して聴かせているらしい。グアンタナモにつれて行かれたイギリス人は、フリートウッド・マックの曲を女の子バンドが演奏したものを、普通の音量で聴かされたとか。イラクで「恐竜バーニー」の歌を何千回も聴かせているなんて、アメリカ本国ではニュースの最後の息抜きネタで使われて笑われた。でも本書では、これはサブリミナル音を忍び込ませて流していたのでは、と推察している。ある耳に聞こえない音は、鬱、絶望、倦怠などのネガティブな効果を与えるという。

イラクやグアンタナモでは肉体的な拷問も行われていたけれど、音楽を聞かせたり、光を浴びせたり、性的な屈辱を与えるなどして、マインドコントロールする実験が行われていて、それはあの特殊部隊の発想が連綿と受け継がれているのだという。そして、陸軍の上層部自体もその効果は分らずに、あくまで実験として行き当たりばったりにやっているという印象らしい。もともと、今でいうマインドコントロールも、銃で撃ち合ったり爆弾で相手を吹き飛ばしたりする従来の戦争が人間に心身共に及ぼす害を減らすべく、考えられた「平和的」な戦闘方法の一種だったはず。一応「良心」から発生したのだと思うと、アメリカ人らしい楽観さが微笑ましいと言えなくもない。ベトナム後にそういう発想が軍内部から出たのは面白いけれど、実際21世紀にイラクで行われているその進化形をみると、こちらも相当グロテスクだ。それも、確実な効果があるわけでもなく、捕虜たちはモルモット状態。片足を失くすのもひどいけど、精神的なトラウマを残すのとどちらが残虐かといわれると分らない。

このほかにも、CIAは50年代当時、スパイに機密情報を吐かせるのにLSDは使えるかを知りたいために、その研究に関わった一人のアメリカ人を実験で死なせている。これは当時も報道されたし、情報公開もされている。世界の正義を守るためには、こういう「事故」も仕方ないと国民は納得するんだろうか。アメリカ人って個人の権利には敏感なのに、その個人はかなり国家に「いいようにされている」んじゃないかと思うことが多い。日本人の目からみると、まったくワンダーランドだよなぁ。
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本について、雑記

本について、話題はバラバラですが、とりとめなく。

リルマグ野中さんのツイートで、作り手の懐にお金が入る順として、一番いいのが直販、悪いのはアマゾンとあり、日頃どこで本を買うか迷う身としては改めて考えなくちゃと思う。さきほど、某海外漫画出版社で欲しいものがあったので2冊オーダーしようとしたら、32ドルに対して、1,2週間で届く場合110ドル、2〜6週間で18ドルの送料がかかると分り、うーむと立ち止まってしまった。18ドルなら、アマゾンJPで買うよりも円高のため安くなる。でもいつ届くやら分らない。別に急がないけど、保存してあとで読む価値もありそうなものだけど、一応読みたいドライブのあるときに欲しいのが人情というもの・・。海外で直接買う場合は会社によって送料がまちまち。それにその会社は一時危なかったという話も聞くし、やっぱりそこで買うことにするだろうけど、やはり即オーダーにはならず・・。買おうとしてる本は新刊なのにさっそくセール価格になっていた。すごいな。

先日どどいつ文庫に行ったとき、yetiがあったので、sweet dreamsはこの本に影響されてるらしいと聞いたので気になる、と話したら、店主さんが、「そうやって話題になれば売れにくいものも売れていいんですけどねぇ」とぼやいておられた。よくわからんけど、なんか良いらしい、とかその程度でもいいから、ある意味ハイプ的に扱われることは、たしかに必ずしも悪いことじゃないな、と。この人がいいと言うからにはいいに違いない、と思わせるような書き手なりライターがもっと元気な存在になればいいね。

プレスポップのブログで読んだところ、ある翻訳家の人が『今後ピンポイントなジャンルの翻訳本などは、リリースされない時代が来るでしょう、読みたいと言う人口が少ないので、最終的に読みたいひとは原書で読む時代になると思う。』と話していたそうです。これを読むと、自分のことかと思ってしまうけど、英語が分る人がこれからどんどん減っていきそうな予感のする世の中、原書で読む人口が右肩上がりになるとは思えないので、問題は本を読む人口が少なくなるということかしら。でもそんなことはない、電車で本を読んでる人はけっこういるよ、とも思う。まあ図書館の本だったりすることがかなり多いけど・・。部数を作りすぎてる、そうしないと成り立たない構造が問題だったりしないのかな。

友人が、最近話題の翻訳家がプチカリスマ的に扱われていることについて、怪訝に思っている様子だった。私はもう翻訳小説をほとんど読まなくなって久しいけれど、柴田元幸は昔からファンだ。出版界からみれば、彼はまさに救世主だったに違いない。柴田さんは翻訳者という枠を超えて、海外作家の紹介役のような存在になってるし。村上春樹も海外文芸ではかなり活躍している。だってかねがね公言していた、ライ麦とギャッツビーの「2大いつか自分で翻訳したい」小説を、ここ数年で実現してしまっている。この二人が翻訳について対談してる本を読むと、テキスト選びは大事、と強調している。まあ彼らくらいになれば自分でどうしてもやりたいものしかやらなくていいわけだけど、逆にいうと、彼らによるものでないと、よっぽど話題の作品でないかぎり、店頭では地味なところに置かれてしまう。売れないんだから翻訳者で売る、というのも手ではあるけど、たしかに元気のありそうな海外文芸本は数人の人気翻訳者に独占されているのも、なんだかなぁて気はする。でも、日本て翻訳されてる本数が少ないんじゃないかな、て偏見かしら。
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フランスはうらやましいな、とぼやく前に。

私は書店でぶらぶら平積みになってる本などを眺めて、気になるものは図書館で予約して借りている(全然産業に貢献してないのでたまに肩身が狭くなる)。。未所蔵の本でも、リクエストすればしばらくして入荷の知らせがくるので大変便利。よく借りるので、税金は本代だと思えば喜んで払えるというもの。電車の中でも図書館の本を読んでる人のほうが多いのではと思えるほど。すべてネットで手配して、高円寺の駅前サービスを利用すれば図書館に行かなくても済むという杉並区民のメリットを最大活用しています。

最近フランスではなぜ子どもが増えるのか(講談社現代新書)という本を読んだ。先進国が少子化に悩む昨今、フランスの出生率が増え続けているのはよく知られている。フランスでは婚外子が多いから増えたのか?、フランスは恋愛大国なのか?などの日本人の疑問に、フランスで結婚して子どもを産んだ著者が答えるという形ですすんでいく。

これはほかの本で読んだことだけど、フランスでは18世紀までは女性が自分の手で子どもを育てる風習がなかったという。貧富の差に関わらず、生まれてすぐに乳母に預けるのが普通だったとか。関係ないかもしれないけど、ここで思い出したのが、アンデルセンやグリム兄弟の童話。大抵子どもの受難がストーリーの前面に押し出されている。赤ずきんちゃんも、赤い靴も、少女が苦境に立たされた末改心して救われる。ここにはキリスト教的な思想と、子どもはこれほど苦しまなければ言いつけが守れない生き物だという一環した思想がみえる。子どもの人権や地位は社会的に今と比べ物にならないくらい低かったということ。

カトリックの国でありながら、避妊や中絶はかなり古くから盛んに行われていて、主に出産が危険を伴う場合が多く、母体を守るため、また何人もの子供を産むことで女性の体にかかる負担をパートナーの男性が気にかけるようになったことも理由挙げられている(ほんとか??)。18世紀から現在に至るまで、各時代の事情に合わせて避妊が盛んになったり禁じられたりしつつも、出産に関しては、全体的に女性の体と意思を尊重する方向であるらしい。

現代では、婚外カップルから生まれる子どもの割合は50%を超えており(結婚しても法的にも経済的にもメリットは特にない)、子どもが生まれてからも働き続けるのは難しくない。出産にかかるあらゆる費用を国が援助していて、何よりも大きいのは、フランスでは子どもが3歳になると、公営の保育園に入れるのだとか。小学校が3歳から始まるようなもの。なので3歳までなんとか頑張れば職場に復帰できるし、それを待たずに仕事を再開する女性も多い。歴史的に乳母産業(現在ならベビーシッター)が活発であることも復帰をささえている。

フランスは恋愛大国かという質問には、ミクシテなる人間関係のキモについて紹介している。これはフランス人と付き合いのある人は誰でも感じるだろうけど、たとえ「店員と客」や職場仲間の恋愛関係にない間柄でも、(その気はあろうがなかろうが)色気を漂わす習慣がついている。みなすべてが常にそのように行動しているかといえばそうではないだろうけど、なんとなく、男女の対応をしているのだ。それに、シングルでいることが辛い社会なのだそう。日本ではなんでも「おひとりさま」を尊重するようになってきたし、シングルでいる自由、ひとりでも別に恥ずかしくない、という感覚があるけど、フランスではそのようにはいかないらしい。それはそれで窮屈ともいえるし、プレッシャーがあるおかげでなんとかなる、ともいえる。

フランスは特別に少子化対策をして、それに成功したわけではない。20世紀になってやはり少子化に悩んだフランスではあったが、家族政策として長年紆余曲折しながら培ってきた実績があり、女性の権利向上のための法整備するにあたって、子どもが増える現象がくっついてきた。もっともな説である。著者は、フランスが長期に渡って取り組んだ末に得たものを、日本が即席に真似をして結果を得られるものではないだろうという。といっても参考にすべきは、会社で女性が産後復帰があたりまえに出来るようにする、とか、保育制度を整える、ことなんだろうけど、時間かかりそうだね・・。フランスは人権問題でも古い伝統があるし、女性たち(フェミニスト)の戦いという過去があったうえでの現在なのだ(もちろん日本のフェミニストも戦ってきたけど)。

別の本で、国民国家としての国民の自意識、民主主義の浸透など、日本は欧米に100年遅れているわけだから、うんぬん、という話を読んだ。これは明治維新後、急速な近代化に励む日本人たちの「適応異常」を例にしてでてきた話で、どう急いだって、100年遅れているのだ、と。遅れているもなにも、もう日本はすっかり民主主義国家ですよ、と21世紀の私たちが見栄をはったところで、100年遅れていることには変わらない。いくら急いでも、意識の積み重ねにはどうしたって時間を要するのかもしれない。私たちの常識は、結局は時間がかからないとおいそれとは変わらないものなのだ。別に暗い話ではなく、その「遅れ」は意識していてもいいんじゃないかな、と思う。

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トム・ソーヤーの冒険

マーク・トゥエインが亡くなってから100年。「自分の死後100年は公開しないように」とカリフォルニア大学に託していた膨大な量の文章が、遺言どおり今年アメリカで出版されるとか。マーク・トゥエインといえば、児童文学の枠を超えた名著として知られるトム・ソーヤーとハックルベリー・フィン、そして引用される頻度の多いことでも有名。柴田元幸はアメリカ文学の話をしていると大抵ハックルベリー・フィンを引き合いにだすし(村上春樹との共著「翻訳夜話2」でも話題にでていた)、ベルセバの曲にもI'm not as sad as Dostoevsky, I'm not as clever as Mark Twainと歌う詞がある(This is just a modern rock song)。ちなみにこないだ文化放送を聞いていたら、パックンがマーク・トゥエインとは、船乗りの人たちが使う掛け声で、船で仕事をしていたことがある彼がそのまま芸名として使った、とトリビア公開してました。もひとつちなみに、アンドリュー・バードのフェイク・インタビューで、バンドメンバーが演じる胡散臭いインタビュアーが、「僕は、実は君はwhite Tom Sawyerだと思ってるんだよね」というシーンがあり、あれ?トム・ソーヤーって黒人だっけか??と困惑したことあり(トムは黒人じゃないです)。意味分からんなー。それともあたしの聞き違いか・・。

で、それほど重要な作家なのにちゃんと読んだことがなく、100年の機会にやっとこさトム・ソーヤーを読み始めたのです。以前ハックのほうは読みかけて挫折経験あり。おそるおそる読み始めると、これがなんとも柔らかい読み心地。いたずら好きでいかにも子供らしいトムが、狭い村で起こる事件を目撃したり、命がけの冒険をしたり。一応子供向けとして書かれているけれど、著者によるまえがきにもあるように、子供のみに向けて書かれたものではないとしている。展開は子供の冒険だけど、端々に一歩引いて人間や世の中を見ている一文が差し込まれていて、もちろん大人も楽しめる。また、作中に起こる事件は、マーク・トゥエインが経験したことや、実際に起こったことが下地になっているらしく、当時(19世紀半ば)のアメリカの風俗を知ることができる点も、読んでいてわくわくするところ。みんなやたら迷信深い。

悪い癖でつい先にあとがきを読んでしまう。そこには、訳者からマーク・トゥエインの思想を表す文章として短いものがいくつか紹介されている(角川文庫)。

人間は絶え間ない進歩をとげてきた。カインは殺人に棍棒を使った。ヘブライ人は殺人に投槍と剣とを使った。(中略) キリスト教徒はさらに鉄砲と火薬とを加えた。今から2世紀もすれば(つまり21世紀)人間は大量殺人の兵器のもつあの恐ろしい効力をさらに一層高めることだろう。そしてそのために人間はみなこう告白するようになるだろう。キリスト教文明さえなかったら、戦争は最後の最後まできっと貧弱な、ささいな出来事のままでいたろうにと。

キリストが
今ここにいたら
ひとつだけ
なりたがらない
ものがある
キリスト教徒に

これを読んで、高校生のころの世界史の授業を思い出した。中世のヨーロッパをやっているとき十字軍の侵略っぷりを習って、なんだ、キリスト教ってただ侵略するためのエクスキューズじゃないか、と。私はまわりにクリスチャンもいなかったし、宗教そのものに縁がないので、単純にこう思ってしまったけど、わりとこのとき気付いたことが、キリスト教に対するイメージの源に自分の中でなってしまっている。個人がそれぞれ精神的な支えや基盤として信じるキリスト教に対してはもちろんノーオフェンスだけど、もともと宗教って他者を支配するための道具でもあったことは否めないと思う。今だって、一応、強大国として、一応、通っているアメリカは、それこそbiggestキリスト教国家だし、世界の「民主主義の恩恵を被ることのできない国」に対して「民主主義を広める」という大義名分を使って戦争をしかけるのは、まるで十字軍のように見えなくもない。


しかしこの翻訳は読み心地がいいなぁ。映画や漫画みたいに視覚的に情報を得られる=絵から行間を読むことに慣れると、本を読んでいてそこにかゆいところに手が届く表現がぴたぴたと当てはめられているのを読んだときの爽快感はなかなか気持ちがいい。町山さんは、すぱっと一方的に描写する小説よりも映画のほうがsubtleで高度な芸術だ、みたいなことをどこかで言ってた気がするけど、本は本で、すぱっと書かれて気持ちがいいってこともあるよね。

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