最近観た映画

50/50
久々にレディースデイの映画館へ。アメリカ旅行中に上映してたのだけど、これは日本にもくるだろうと思って取っておいた映画。大抵映画を見るときは、冒頭あたりでどこが舞台か景色で探るのだけど、坂が多くて海が見えて、というあたりでサンフランシスコかなと思ったら、Pike Stの看板とタワーが見えたのでシアトルかなぁ、と。実際の舞台はシアトルだけど、撮影のほとんどはバンクーバーらしい。セス・ローゲンはバンクーバー出身なのだとか。
この映画の脚本を書いた人の実話で、当時からセス・ローゲンと友だちだったので、ガンになったときに彼からこのネタで書いてみろよ、と勧められたのだそうだ。映画では二人はラジオ局勤務という設定になっているけど、実際はテレビ番組を作ってたらしい。
神経質できっちりした性格のレヴィットがガンにかかって闘病生活を送るも、ローゲンが今までとまったく変わらずに、おい、お前彼女と別れたんだから、誰かひっかけてヤれよ!とけしかけまくる。でも実は、陰でガン患者と接するためのハウツー本を読んで勉強していたと分かるシーンで、館内では、もらい泣きの音があちこちから。じんとするシーンもあるけれど、基本的にはローゲンがいつもの調子でぎゃあぎゃあ騒いでいて、主人公は淡々としている。あまりドラマチックに描いていないので、とてもリアル。
J・G・レヴィットがとっても良い!普通の青年なんだけど、抑え目で味があるなぁ。前にデヴィッド・レターマンショウでゲスト出演していた映像を観たとき、すごく快活で、頭の回転の早い人だなぁと思った。実は子役時代があって、芸歴が長いのだ。500日のサマーから注目され出して、次回作はスピルバーグのリンカーンや、バットマンの続編でも大きな役を演じるらしいので、楽しみ!
ちなみに、50/50のなかで、山崎まどかが名セリフに選んでいた、「君にパンケーキを焼いてあげるよ」は、たしかに名セリフ! しかもあのタイミングであの状況で言われたら、キュン死ってやつだね・・。

山本五十六
友人が鑑賞券をもらったというのでお供した。
山本五十六といえば、人気ナンバーワンの軍人だから、過剰に英雄視してるようなチャチい映画だったらどうしようと思ってたけど、なかなか地味で素晴らしかった。この世界の一人者であろう半藤一利さんの原作映画化で、監修もしているので、浮ついたところもなく、安心して観られる。一時、戦争関係の本をよく読んでいたことがあって、半藤さんの本も読んでいた。戦争の話になると、あんな戦争するなんて、日本は間違っていた!か、あれは自衛戦争だったのだから間違っていない!のどちらかに重心がかかりがちだけど、半藤さんは生き残った軍人や政治家など大量に直接取材をしているし、冷静な視点をもって書かれていると思う。なので、山本五十六本人が人格者であり、当時の軍中枢にいた人間の中では極めてまともな判断を下せる人だったことを映画では描いているけれど、大げさではなく非常に落ち着いたトーンで語られているし、ヒーローを絶賛するような調子でもない。
どうして無謀な戦争をはじめることになったのかという話題になったとき、よく陸軍の暴走のせいだと言われるけれど、それだけでなく、世論が戦争を強く望んでいたことも忘れてはいけない。当局の監視の目があったのは当然だけど、その世論を煽ったアジテイターとしての新聞の役割も大きかったのだ。市民が戦争はもういやだ、と言い出したのは、実際に大都市への空襲が始まってからのこと。太平洋戦争が始まる前は、長引く日中戦争のイラ立ちと景気の悪さもあって、市民の間にどうしようもなく鬱屈とした空気が流れていた。そこで、こうなったらアメリカと開戦だ!という気になるのがやはりわかりづらいけれど、当時の空気はそうだったんだろう。太宰治や伊藤整などの知識人も、開戦のニュースを聞いて、これで世間がぱっと明るくなった、と書き残しているとか。こればかりは本当に、当時の空気を想像するしかない・・。
人々はあまり情報を得られてなかったというのもある。映画の中で、三国同盟を早く結ぶべきだと息巻く将校がヒトラーのわが闘争に心酔しているけれど、日本語訳には、ヒトラーが日本人は劣等なヤツらだが、我々の利益になるなら使ってやってもよい、と語る件がごっそり抜け落ちているのを指摘するシーンがちゃんと入っていた。
山本五十六は、徹底して対米戦を回避しようと最後まで頑張った人。本来ならたとえ戦争に負けても、軍のトップは戦死せずに生き残るものだけれど、彼は自殺ともとられるように、自ら前線に赴いて途中で爆撃されて死んでしまう。日本にもこういう人がいたのだ、ということはやはり覚えておきたいなぁ。
映画の中で、真珠湾攻撃の際に、最後通告は必ずアメリカに届けるようにと念を押すものの、実際には届かずに、奇襲ということになってしまう。これは、今のところ在米大使館で翻訳作業が遅れたためだとされている。でも最近、アメリカは暗号を解読してパールハーバーが攻撃されることを事前に知っていたことを裏付ける可能性のある資料が出てきた。ずっと、戦争開始の口実にするためにルーズベルトはそんなこととっくに知ってた、という説もあったけど、実際に証拠となりうるものが見つかったのは初めてなのだそう。こうやって歴史ってはるか遅れて真実がぽつぽつと明かされるものなのだなぁ。そしてその真実って、もはやあまり役に立たない・・。
印象的なのが、山本五十六が食べるシーンがすごく多いこと。家族との夕食、甘いものから船上でお茶漬けをすするシーンまで、本当によく食べている。すごく良い演出。また、役所広司がやってるから、もう文句なしに人格者に見える。日本のトム・ハンクスだなぁ。意外に吉田栄作が出番が多くて、ちゃらくない。なんとなく、良かったねぇという気になる。対してギバちゃんはイマイチで、思わず吹きそうになるのをぐっとこらえた。

突然炎のごとく Jules et Jim
BSで放送してたのを鑑賞。タイトル見ても、たしかに昔観たけどどんな内容だっけ?と思い出せない。原題をみてやっと思い出した・・。
ジュールとジムの不滅の友情のほうに惹かれて、ジャンヌ・モローはどうでもいい・・ってなっちゃうなぁ、どうも。彼らのどちらかが、彼女は特に綺麗でもないし、と言うシーンがあったけど、たしかに綺麗でもない。キャシー・ベイツにそっくり。でも彼女がファム・ファタルなんだなぁ。女としてはいまいちわからん。
昔観た時はあんまり気にしなかったけど、彼らはフランス人とドイツ人で、第一次大戦では敵味方に分かれてしまい、お互いすごく心配し合うことになる。こういうのって当時のヨーロッパではよくある光景だったんだろうなぁ。なんせ陸続きなんだし。
ナレーションで話してる内容が、日本のそれとはまるで違うのは当然として、英語圏のそれとも全く違うなあというのが印象的。やはり別の文化圏。翻訳すれば分かるというのではなくて、これはすごく説明しづらいのだけど・・。英語と日本語でも違うのだよなぁ、話す内容自体が。ここ数年、英語の映画ばかり見ているので、字幕に完全に頼りきるのが心もとない気分になってしまうけれど、フランス映画もいいですね。新鮮だー。






























